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先日4月16日(月)、同志社大学・新町キャンパスにて「原発って、どうなん?」を開催しました。

福島第一原発事故から一年以上が経過しましたが、学生の間で「原発」をめぐる議論は残念ながらあまり起こっていません。同志社大学から約60キロ離れた大飯原発の再稼動問題が世間を騒がせる中にあっても「原発を止めるべきか、再稼動するべきか?!」という議論もできていない状態です。

しかし、ひとりひとりの心の中には、

今いったいナニが起こっているの?
事故「収束宣言」はホントなの?
原発は再稼動して大丈夫?
核燃料サイクルってできるの?

といった疑問があったりもします。
結局、原発ってどうなのよ?!という学生たちの疑問に、現役与党議員で原発事故収束プロジェクトチーム事務局次長の平 智之さんが答えてくれるのがこの企画です。

平智之さんは、
京都生まれ、京都育ちで、京大工学部物理工学科卒、アメリカUCLA大学院材料工学科修了。前回の衆議院選に、京都1区に民主党から出馬し当選したバリバリ理系の1回生議員さん。学生の頃に「『核』は人間の技術では制御しきれない」と直感し、以来『禁原発』の立場を貫かれています。原発事故後は、政府内の原発事故収束プロジェクトチーム事務局次長を勤められ、また、『政府が認める東電の事故収束に向けた道筋』の代替案を検討する、有志議員でつくる“Bチーム”の座長もされています。昨年12月には雑誌Natureに『福島第一原発を国有化せよ』を寄稿し話題となりました。

 * * *

当日の企画には、門の工事や新歓期間(4月)中の様々な規制のため立看が立てられなかったりで宣伝に苦戦しましたが、そんな中でも約20名の参加者が集まってくれました。

平さんの「一方的な講義の形式ではなく対話形式でやりたい」という要望を受け準備された企画は、平さんからの「原発は稼動させるべきか?とめるべきか?」という会場への質問から始まりました。

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『原発は稼動させるべき』に手を挙げた人たちにその理由がたずねられ、
発言した人たちも「本当は原発はない方がいいが・・・」と前置きをしながらも、
「原発がなくなったら電力が不足して大変なことになる」「産業界が大混乱を起こす」「電力不足を解消する打開策がない」「石油原産国の情勢不安や枯渇するといわれている化石燃料に頼る火力発電に頼っていては、供給が不安定になったり電力の価格高騰を招く」などの意見があげられました。

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それに対し、平さんからは次のような意見が述べられました。

「『ラスムッセン報告(1974年・米国)』では、「原発の大規模事故は10億年に一度で、ヤンキースタジアムに隕石が落ちるのを心配するようなものだ。」といわれたが、その5年後にスリーマイル島事故、またその7年後にチェルノブイリ事故が起こっている。日本でもこれまでに様々な原発での事故が起きている。原発は一たび事故が起これば何十年と広範囲に渡り立ち入り禁止となる区域ができ、甚大な経済損失を生み出す。しかし、このように頻繁に起こる事故を「めったに起こらない」と仮定し、“今”の経済を優先させて稼動させておくことが本当に正しいのだろうか。

関電はこの夏、全原発が停止することにより約20%の電力供給不足に陥るといい、それを盾に原発再稼動を進めようとしている。
昨年夏、東電管内でも電力不足に陥ったが、日本の経済が混乱して大変なことになりましたか?電力不足になるといっても真夏のほんの数時間のことです。東京では昨年、照明を消す、エレベーターを止めるなどの節電対策によって夏を乗り切ることができた。もちろん、医療機関など必要なところへの電力供給は止めずに。しかし、今回の関電の試算では、昨夏、東電管内で取り組まれた節電時のデータは反映されていない。私は関電の基準よりさらに厳しい条件で、東電の昨年のデータを反映し電力量を計算しました。すると100万kW足りない。しかし、この100万kWは他の電力会社から電力を融通してもらい、自家発電から電気を買いとればまかなえる。関電の試算は、他の電力会社からの電力の融通や自家発電の電気の買取をまったく考慮に入れていない数字なのです。
これでも原発の稼動は必要だと思いますか?」

こうした平さんからのお話を受け、改めて原発の稼動が必要かどうか問われると、『稼動を続けるべき』に手を挙げていた人たちの手がほとんど下がりました。

マイクはまだ発言していない人たちに回され、原発に対する様々な思いや意見が上げられました。割と多かった意見は、勉強不足で賛成・反対どちらとも結論を出せないといもの。原発に反対する意見として出されていたのは、被曝労働者が生み出されている、誰かを犠牲にしなければ原発は成り立たないという意見や、今回の福島の事故でたくさんの人が故郷を失ったり、家族と引き裂かれたりしている中でそのことを考えるとこの問題を繰り返してはならないという意見。これまでの電力使用量を減らしてでも原発は止めるべきだという意見。また、福島出身の友人の近所の農家の方が自殺したのを聞きいたというエピソードや、福島出身の友人の実家が立ち入り禁止区域内にあり、友人が家を失い落胆していたのを見て、絶対原発はなくしたいんだという意見もありました。

国会議員である平さんへの意見として、今回の事故だけに限らず“情報の開示”が行なわれるべきであるという意見が出されました。平さん自身もこの考えに同感しており、東電でなく、福島第一原発の国有化を進め、オープンな情報の下で事故収束のプロセスが進められることを目指されているとのことでした。

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『核燃料サイクル』への疑問が会場から投げかけられたのに対し、平さんは六ヶ所村の再処理工場での様子を紹介されました。核燃料の再処理というのは、原子炉で燃やされた使用済み核燃料をリサイクルし原発の燃料として再利用しようというものです。六ヶ所村で実際に行なわれている作業は、容器の中に閉じ込めた燃料棒を人が片方の手でつかみ、もう一方の手でパチンパチンと切り、遠心分離機で再利用するプルトニウムを抽出するというとてもローテクな作業だそうです。燃料を洗い流す汚れた硝酸液は安全に管理されているとは言えず、漏れているのではないか、とおっしゃっていました。
また、プルトニウム抽出技術があるということは、それを核兵器に転用することが可能であり、そうした視点からも原発には反対の立場だといわれていました。
使用済み燃料の処分方法については、地震大国の日本の国土の中で何億年も安定して保管できる場所く不可能であると明言されていました。

事故『収束宣言』の根拠とされた『冷温停止』のカラクリも解き明かしてくれました。(『冷温停止』とは、原子炉などにおいて、核燃料の安定的な冷却が保たれ、核分裂が発生する臨界状態を抑え続けることができている状態、をさす。)政府が言っている冷温停止は、燃料が本来格納されている“圧力容器”の下部の温度計の計測温度が100度以下でることを根拠に冷温停止とし、「発電所の事故そのものは収束に至った(野田首相'11.12.16)」と説明しているが、燃料は既に“圧力容器”の底を突きぬけ“原子炉格納容器”さえ突き抜け、“建て屋”の底のコンクリートを数センチ溶かしているといわれているのに、“圧力容器”の下部の温度を測ることになんの意味も無いと。注水している水の水蒸気の温度を測定しているだけであって、水蒸気は気体なのだから絶対100度を超えることはない、ということでした。

原子炉


平さんのお話の後半には、“なぜ原発をなくすべきなのか”というお話から一歩進んだ、“原発を止めてからどうするのか?”という未来のあり方についていくつからの提案が挙げられました。

新しいエネルギー政策のあり方として一つは、『熱と電気の分離』があげられました。日本の中でガスを一番買っているのはガス会社ではなく、実は電力会社なのだそうです。現在の火力発電の燃料は、ガスや石炭が中心です。電力を起こすためにガスを燃やし電力に変え、各家庭や施設に送られる。それが電気を使う暖房器具によって再び熱に変えられるというのはとても非効率的なあり方です。送電の途中にも電気は消費するし、ガスを直接燃焼させた方が暖かいのですから。『熱と電気の分離』は無駄な電力の消費自体減らしてしまおうという発想です。

二つ目に『水素社会』があげられました。これは無数にある水素(H2)を燃料に電気を起こすという発想です。
三つ目に『地球の植物化』『光合成社会』があげられました。今日、悪とされている二酸化炭素(CO2)を原料に、炭素(C)と酸素(O2)に分解し、炭素(C)に(H)を4つくっ付けてメタンガス(CH4)を発生させ、それを燃やし電気を起こそうというものです。二酸化炭素の分解や合成はまさに植物が行なっている光合成と同じです。

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「世界ではこれから原発を作ろうという国がたくさんあるが原発の耐用年数は40年程度。その原発が使えなくなった時、世界に先駆けたエネルギー技術を日本やドイツは持って待ち構えていればいい。今世界で起こっている戦争の多くは限られたエネルギー資源を巡るもの。水素や二酸化炭素など無尽蔵にある資源が利用できればこれも変えられる。京都から若い人たちが既存のあり方にとらわれず、新しい社会を発想していってください。一緒に頑張りましょう。」と話が締めくくられました。

 * * *



翌日も国会で再稼動の必要性について国会質問をされるというお話もあり、平さんは早々と会場をあとにされましたが、企画は続き、今企画を準備したサークル内の『脱原発アクション』プロジェクトチームからの基調が読み上げられ(基調の内容はここに載せるとかなり長くなってしまうので、改めて別の記事で紹介したいと思います。)、サークル紹介と参加の呼びかけが行なわれ、企画は終了しました。

企画終了後も会場には余韻が残り、各所で話しきれなかった議論がつづけられていました。会場をみんなで片付けた後、一行は『ニュー北京』へ移動し交流を楽しみ、長い一日が終わりとなりました。

アンケートに書かれていた参加者の声からも、今回の企画は学生が原発問題を考え、それを深める良いきっかけになったと感じています。今回の経験を生かした脱原発に向けた取り組みを今後も継続して頑張っていきたいと思います。





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2012.04.21 Sat l 企画報告 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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